「パイスラ(斜めがけバッグによるバストラインの強調)」という現象は、単に「バストが大きいから起こる」ものではありません。
そこには、「服の素材」「シルエット(サイズ感)」「摩擦しやすさ」が深く関わっています。
同じ体型、同じバッグであっても、着ている服一つで、パイスラの強調され具合は「0」にも「100」にもなります。
本記事では、パイスラが「できやすい服」と「できにくい服」の特徴や組み合わせを解説します。
パイスラができる服の特徴とその理由
パイスラが発生しやすい服には、明確な共通点があり、「身体のラインを拾いやすい」「かばんのベルトが食い込みやすい柔らかい質感」が挙げられます。
リブニット(縦編みのニット)
ニットは、パイスラ界における「王道にして最強」の服です。
リブニットは伸縮性が非常に高く、身体の凹凸に合わせて生地が伸び縮みします。
通常時はニットの縦のラインが直線になっていますが、バストの膨らみ部分だけ横に歪み、さらにバッグのベルトが食い込むことで、その「歪み」がより立体感を強調します。
ニットの滑りやすい布地により、斜めのベルトが自然と胸の谷間へと滑り落ち、直しても滑ってパイスラになってしまいます。
薄手のカットソー・Tシャツ(レーヨン、リネン)
綿100%の厚手のものではなく、テロっとした落ち感のある素材(レーヨンやリネンなど)は、パイスラとの相性が良いです。
生地自体にハリがないため、バッグのベルトが食い込みやすく、ベルトが体のラインに密着しやすいです。
また薄手の場合、布地が柔らかいため、身体のラインが出やすく、胸の形が浮き彫りになります。
ハイネック・タートルネック
首元まで布で覆われているため、身体のシルエットが強調され、上半身にまとまりや均一感があります。
そこにベルトという「線」が入ることで、ベルトで分断されているパイスラ部分が自然と目立ちます。
デコルテが開いている服なら視線が肌に分散されますが、ハイネックは全てが布で覆われているため、ベルトが作る凹凸のみに視線が集中します。
サテン・シルク素材
表面にツヤがある素材は、光の反射によって「明るい部分(山の頂点)」と「暗い部分(谷間)」のコントラストを強めます。
パイスラによってできたシワの一つ一つが、陰影として強調されます。
パイスラができない服の特徴とその理由
一方で、パイスラを防ぐ服の共通点は、「服と身体の間に空間があること」と「硬い布地」です。
デニムジャケット(Gジャン)・厚手のキャンバス地
生地が硬いため、かばんのベルトが胸にかかっても布地が沈み込みません。
パイスラをしても、ベルトが谷間に食い込まず、肩から腰までの斜めのラインが真っすぐよりになります。
また、表面がザラザラしており摩擦が強いため、ベルトが谷間へ滑り落ちません。
オーバーサイズのスウェット・パーカー
ビッグシルエットな服は、身体と服の間に大きな空間があります。
ベルトが服を押しても、基本的には肌まで密着することはなく、スウェット生地の厚みがクッションになります。
また、パーカーの場合はフードのボリュームが首元の視線を遮り、ベルトが体に密着していないように見えます。
テーラードジャケット・トレンチコート
ジャケットは、肩パッドや襟部分に芯地が入っているため、服の形が崩れません。
形状固定の加工がされており、ベルトが食い込むことはなく、パイスラにはなりません。
また、ジャケットの襟、ボタン、ポケットなどの装飾が、視覚的にパイスラのラインを拾わない装飾として活躍します。
フリル・ギャザー・ボウタイブラウス
胸元に大きなリボンや幾重にも重なるフリルがある場合、ベルトは装飾の上や中にしかかかることができません。
バストの形は装飾の下に隠れ、どこが膨らみでどこが布、陰なのか、わかりにくくなります。
服の色と柄による効果
服の色と柄による効果も見逃せません。また、ベルトとの色のコントラストも重要です。
パイスラが目立つ色(膨張色・淡色)
白、ベージュ、パステルカラーは、影の色(グレーや黒)とのコントラストがはっきり出るため、ベルトが食い込んだ部分の陰影が際立ちます。
パイスラが目立たない色(収縮色・濃色)
黒、ネイビー、ダークグレーは、生地の影と同化してしまうため、凹凸が視覚的に潰れて見えなくなります。
黒いタートルネックよりも、白いタートルネックの方が圧倒的にパイスラの魅力が引き立つのはこのためです。
柄物
細かい花柄、複雑な幾何学模様は、柄自体が視覚的な情報量過多の状態を作るため、ベルトによるラインや身体の凹凸といった「シルエットの情報」がかき消されます。
逆に、無地は胸や身体のシルエットの情報のみが際立って目立ちます。
まとめ
パイスラには、パイスラが引き立つ服と目立たない服があり、色や柄もパイスラをする上で重要な要素であることを解説しました。
気になる異性へ向けてパイスラをしたい女性や、逆に職場などでパイスラを防ぎたい女性にとって参考になる情報であると幸いです。



